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税目ごとにみる書面添付制度

By 2月 15, 2025No Comments

 書面添付制度に関して、財務省によると、所得税や法人税での書面添付制度の利用が頭打ちとなる中で、相続税における書面添付制度の利用が伸び続けています。書面添付制度とは。

① 書面添付制度とは

 「書面添付」は税理士だけに認められた権利で、税務申告書の作成に際して、計算や相談した事項を記載した書面を税理士が申告書に添付することができる制度を言います。この書面が添付されている申告書を提出した場合は、あらかじめ日時と場所を通知して税務調査が行われる際に、その通知前に税務申告に携わった税理士に添付された書面の記載事項について意見を述べる機会を与えるというものです。

② 書面添付制度を使うことによるメリット

 一つ目は、書面添付制度を利用した場合、事前の税理士に対する意見聴取のみで、場合によっては税務調査が省略される可能性もありうるというものです。実際に書面添付制度を利用する場合に申告書に添付する書面には、税理士がどういった事項を検討し、申告書に反映したか等を個別具体的に記載する必要があります。

 二つ目は、書面添付制度を利用した場合に設けられる、税務調査前の意見聴取において申告漏れが見つかった場合に修正申告書が提出されたとしても、修正申告は自主申告扱いとなり、加算税がかからなくなります。しかしながら、書面添付制度による税務調査前の意見聴取ではなく、税務調査後の修正申告は加算税や延滞税のペナルティの対象となります。

③ 書面添付制度の活用状況

 令和5年事務年度の書面添付割合は、所得税が1.5%、法人税が10.0%とほぼ前年と変化ないものの、相続税は前年度比0.9%増加し、24.3%となりました。これは、他の税目に比べ実地調査件数等の割合が高いことや相続税は毎年申告が必要ないことなどが挙げられます。