「自筆証書遺言書保管制度」とは
自筆証書遺言書保管制度は、これまで自宅で保管されることの多かった自筆証書遺言書の紛失、改ざんや相続人に発見されないおそれなどの問題点を解消しており、「安心」「簡単、安価」「親切」な制度です。法務局(遺言書保管所)で保管するという選択肢が増えたことによって、より安心して自筆証書遺言書を作成することができるようになりました。
指定者通知とは
この遺言書保管制度における指定者通知とは、遺言者から申出があった場合に遺言者の死亡後、遺言者が指定した人に対して遺言書が保管されていることを通知するシステムです。仮に遺言者が遺言書保管所に遺言書を保管していることを誰にも伝えずに亡くなった場合でも、指定者通知を受領した人にその事実が伝わるため、結果としてその他すべての相続関係人等にも遺言書が保管されていることが通知される制度です。
今回の変更点
この指定者通知の対象者に指定できるのは、これまでの遺言者の推定相続人、受贈者等、遺言執行者等のうち一人に限定されていました。しかし、指定された対象者が転居している場合などを踏まえ、人数や対象者を広げるべきではないかとの指摘がありました。
そこで、令和5年10月2日から指定者通知の運用が変更され、通知の対象者を「遺言者の推定相続人、受贈者等、遺言執行者等」に限定せず、人数も3人まで指定することが可能となりました。すでに対象者を一人に限定している場合も、対象者の追加が可能です。
”争族”を回避する為に自筆遺言書を活用するケースが増加しており、遺言書保管制度についても徐々に増え、令和2年7月の制度開始からの保管件数は約6万件となっています。