毎年慣例で7月1日、国税庁は令和6年分の路線価図等をHP上で公表しました。路線価は、1月1日時点で国税庁が算定した全国の主な道路に面した土地の1㎡あたりの評価額で、相続や贈与、自社株式の評価等のなかで、土地を評価するにあたって参考とされる金額となります。
令和6年分の路線価について、調査対象となった全国の約32万地点の平均価格は前年度比2.3%上昇し、3年連続で前年度を上回る結果となりました。また、その上昇率も2010年以降でこれまでで最も大きくなっています。
令和6年分の路線価
関東地方の路線価の上昇率については、東京が前年度比5.3%、千葉が同4%、神奈川が同3.6%、埼玉が同2.1%、いずれも増加しました。一方で、群馬のみ同0.5%下落しました。
次に都道府県庁所在都市における最高路線価の対前年変動率では、上昇した都市が昨年の29都市から37都市に増加しています。上昇率が高かったのは千葉の「千葉駅東口駅前広場」の前年度比14.9%、さいたまの「大宮駅西口駅前ロータリー」の同11.4%と、10%を超える上昇率でした。駅周辺の再開発や繁華性があることが上昇の要因となっています。
また、最高路線価は昭和61年分以降、39年連続で、銀座五丁目の鳩居堂前が前年度比3.6%、152万円上昇し、4,424万円/㎡でした。
背景
昨年よりも路線価の上昇率が高くなっている背景としては、令和4年分からコロナの影響が緩和されインバウンド需要が好調なこと、人流回復やオフィスの需要が旺盛となっていることなどが路線価の上昇傾向に表れています。また、観光地や商業地に加え、再開発エリアやその周辺などでも路線価が上昇していることを踏まえると全国的に再開発が進んでいることも背景として考えられます。